我が家の長女は発達グレーで、勉強がとても苦手。落着いた環境で6年間過ごしてほしいと考えて中学受験をしました。(これを書いている1か月後が受験本番!)
中学受験を考えるようになってからも、

本当に本当に悩みました。受験に向かって準備をしても本人がついていけるかわかりませんし、そもそも私立中学に行く意味を本人が見いだせないんじゃないか、などなど。
今日は、
- 難関校や上位校志望ではない娘が中学受験をきめた理由
- 志望校選びで重視した部分(学校見学で確認したところ)
- 最終的に中学受験をすることを決めたのは娘本人
について娘の様子を含めて書いていきます。
私も中学受験を考えた時、塾の先生が書いているような記事ではなく実際にお子さんを持つご家庭のリアルな考えを聞きたくていろんな方のブログを読みました。

Contents
発達グレーの娘が中学受験を決めた理由
中学受験を考え始めたきっかけ
娘が中学受験を具体的に考え始めたのは小学3年生になったくらいのとき。
発達相談で通っていた病院の先生に今後の進路を相談した際、私立中学への進学も選択肢の一つだと言われたのがきっかけです。
先生から言われたことは下記のような内容でした。
- 私立と公立を比べた時どうしても公立のほうが画一的な教育となってしまう
- 公立の部活動が必須のような現状、本人の負担になる可能性がある
- 校風や教育方針があっている学校が見つけられたら本人はのびのび過ごすことができる
- 学校によっては手厚く生徒を見てくれる私立がある
公立中学が良い悪いではなく、中学受験はあくまでも環境を整える選択肢の1つとのこと。娘にあった学校が見つけられれば本人の特性を「個性」として受け入れ、伸び伸びと過ごせる環境を見つけられるのではないか、と言われました。
ここから私立中学について夫婦で話し合い、準備がスタートしました。
このとき、娘は小学3年生なのではっきりとは私立中学と公立中学の違いを分かってはいなかったと思います。私たちも最初は公立、私立どちらでも選択できるよう準備しようという感じでした。
娘の特性と学校での困りごと
小学校生活での主な娘の困りごとがこちら。
- 忘れ物がとても多い(私が確認しているのでランドセルには入っているけれど、出さない。入っていることに気づかない。)
- 環境の変化に弱く、行事が多い時期は体調を崩す
- 見通しがつかないこと、経験がないことが苦手で不安が強い
- 自分の考えを言葉にすることが難しい
- 感覚過敏
とにかく忘れ物がとにかく多くて、提出物、宿題の内容、学習で使う持ち物....いろんなものを忘れます。娘の学級には忘れ物カードというものがあって、カードに書かれて行って10個たまるたびに先生の注意が入ります。毎日娘が次の日の準備をした後必ず私が確認をしていたんですが、忘れ物が減らない。
ランドセルには入っているのに、出せないんです。ランドセルの中から見つけられず、「入っていないと思った。」ということが多くあります。
忘れ物が増えて先生から私へ連絡がくるたびにすごく責められている気持ちになってしまい、イライラして「なんで忘れるの!!」と怒ってしまうことも多くありました。(先生はそのつもりはないと思います。娘の特性を知っているため、良かれと思って連絡をくれていたんだと思います。)

また、環境が変化したり行事が多いときはパニックが多くなったり体調を崩します。娘は毎年、9月、10月は一年のなかで一番状態が悪くなる時期で、本人が楽しみにしている音楽会や運動会も知らず知らず負担になっているようなんです。
どうしても特性から疲れやすい部分があるため、辛いときは無理せずに休めるような環境が必要だと感じています。
見通しが立たないことに対しての不安も強く、経験したことがない場面では不安が強く固まってしまいます。この他にも感覚過敏や自分の考えを言葉にできない、などが、集団生活の中での困りごとでした。
中学受験を決めた理由
公立、私立どちらでも選べるように準備をスタートした私たちですが、いろんな学校を見学するようになって娘本人も私立に行きたいと言うようになりました。

- 公立中学の内申点は娘にとってマイナスになってしまう
- 不安定になりやすい反抗期・思春期の高校受験は本人の負担が大きい
- 環境変化に不安が強いため、少人数で落ち着いた校風の学校へ進学させたい
- 感覚過敏があるため、環境が整った私立中学の方が過ごしやすそう
とにかく忘れ物の多い娘ですので、公立中学の内申点がマイナスになると思いました。提出物が出せない、発表や積極的な発言も苦手でテストのケアレスミスも多い...。いい内申点をとるために頑張ることは難しいし、これから思春期や反抗期をむかえることを考えるともう不安しかないんです。
また、中学受験をせずにそのまま地元の公立中学に進学すると、近隣の小学校から生徒が集まってクラス数の多い中での生活になります。現在娘の在籍している小学校は2クラス。先生方が問題がなさ過ぎて逆に心配というほど落ちついた同級生の中で生活しているため、クラス替え毎に知っている子がほとんどいなくなってしまうような状況が心配だったんです。
もちろん、そういった環境で揉まれて成長する部分もあるかと思います。それでも、娘の特性を照らし合わせて考えると、娘にとってあまりメリットにならないように感じました。不安定になって学校に行けなくなったら元も子もないですから。
そのため、夫婦間でよく相談して少人数で落ち着いた雰囲気の中のびのびと生活できるような学校に進学させることに決めました。
発達グレーの娘が志望校選びで重視した部分
我が家が中学校選びで重視したポイントがこちら。
- 少人数制
- 個性を大切にしてくれる
- 面倒見がよい
- 校舎がきれい
- ICT教育の導入状況
私立というと大学の付属だったり、進学校をイメージされることも多いんですが、偏差値を重視するのではなく本人の個性や生活面を重視した指導をしてくれる学校も数多くあります。娘には落ち着いた学校生活を送ってもらいたいと思っていたので、上にあげた点を特に重視して中学校を見学していました。
いいなーと思っていた学校でも、何回か見に行くとあれ?思ってたのと違うな、と感じることもあり実際に見ることの大切さを実感しました。

娘は感覚過敏もあるため、教室の広さやエアコンの設置などの環境もとても重要です。設備面も見学に行った際にチェックしていました。
また、偏食が強いお子さんだと給食かお弁当か、カフェテリアが併設されているかなどのチェックが必要ですし、書くことが苦手なお子さんだとICT教育の導入状況によって学びやすさが異なってきます。
娘も教科書よりタブレット学習のほうが理解度が高いため、ICT教育の導入状況も確認していました。
発達障害やグレーゾーンで心配のある場合、子供の特性と照らし合わせて、子供にとって負担になる部分を確認していくことが大切だと思います。
最終的に中学受験をすることを決めたのは娘本人
最終的に中学受験をすることと行きたい学校を決めたのは娘本人です。
私立中学を受験しようと考えたころ、娘もあまり中学受験をする意味がわからない状態でした。それでもいろんな学校を見学していくうちに、本人のなかで私立中学のほうが自分は生活しやすいのでは、と思うようになったようです。

娘は中高一貫へ行けば、6年間同じ学校に通えて高校受験がないことや、タブレット学習など設備面に大きなメリットを感じたようでした。
発達グレーの特性のある娘に親の希望だけで受験勉強を乗り越えさせるのは困難だったと思います。受験に向かう道のりは目標を持っていても紆余曲折あって、なんども挫折しそうになりました。それでも、この学校に行きたい!という憧れの気持ちがあったのでなんとか頑張れたんだと思います。
もちろん志望校選びではある程度私たち親が学校の規模や校風を確認し娘に見せていたので、完全に娘の意見ではありません。10校ほどの中から娘が選んだ感じです。
実は見学した学校のなかには、私が一番いいな、と感じている学校があったんです。自宅に近くて面倒見も良く、評判もいい。大学への進学率等を見ても、この中学に入ってほしいと思っていたんですよね。
でも本人は選びませんでした。学校の「ニオイ」が嫌だと言ったんです。
ニオイ....。着目点が独特ですよね。私にはわからないんですよ、そのニオイが...。本人はその学校に行くたびにニオイのことを言って嫌がりました。感覚過敏のある娘ならではの学校選びの基準だったと思います。
特性によっても色々なので一概には言えませんが、本人がその学校に通うことをイメージできるように、できるだけ何回も見学に行って志望校を選ぶといいと思います。
まだ実際に通っているわけではないので、受験してよかったかどうかは分かりません。ただ、目標に向かって頑張るということはとても良い経験になったと思います。
中学受験に向けた塾選びについて記事にしています。通塾中のいろいろありましたが、先生のサポートもあって目標に向かって進むことができました!参考にしてみてくださいね。
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発達グレーっ子の中学受験まとめ
今日は発達グレーの娘が中学受験をすると決めた理由と、志望校を選ぶ際に重視した点をご紹介しました。
中学受験を決めた理由はこちら。
- 公立中学の内申点は娘にとってマイナスになってしまう
- 不安定になりやすい反抗期・思春期の高校受験は本人の負担が大きい
- 環境変化に不安が強いため、少人数で落ち着いた校風の学校へ進学させたい
- 感覚過敏があるため、環境が整った私立中学の方が過ごしやすそう
上のような理由から少人数で面倒見のよい私立中学を受験することにしました。私と同じように環境を整えたいと感じる親御さんは多いんじゃないでしょうか。志望校はある程度親が候補をだして、最終的には娘本人が決めています。
中学や高校で過ごす6年間は、大人へ向かっていくために自立を促す大切な時期。娘を見ていると発達障害やグレーゾーンの特性を持つ子にとって、多感な時期をどんな学校でどのように過ごすかがとても重要なことのように感じます。
もうすぐ受験本番!希望する学校には入れてもいろんな困難はあるかと思いますが、自立を促しつつこれからもほどよくサポートしていきたいと思っています。
\無事私立中へ入学しました!1か月半後の現在の状況を書いています。/
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発達グレーっ子の中学校生活|中高一貫校に入学して1か月半経過した現在の様子
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