発達に不安のあるお子さんを塾に通わせるとき、どんな塾がいいのか悩みますよね。現在6年生の娘は発達グレーっ子で、中学受験に向けて進学塾に在籍中です。

娘の塾歴はこちら。
- 就学前~小学校2年生:発達支援教室エレファース
- 新小学校4年生~現在:進学塾(現在は集団+個別を併用)
娘は発達支援をしている塾、一般的な進学塾の両方を経験しています。今在籍している塾は集団指導がメインの塾ですが、個別も対応してくれるので苦手教科は状況をみながら個別を取り入れています。
この記事では
- 塾の種類とそれぞれのメリット・デメリット
- 娘がどのように塾を選んだか
- 発達障害の子供の塾選びで大切なポイント
についてご紹介していきます。
娘が進学塾を選ぶ際に重視したところ、娘の特性を事前に伝えたか、3年間の通塾で起きた問題についても書いていきます。
娘の受験本番まであと1か月!結果がどうであれ、勉強をしてきたことは決して無駄にはなりません!!

Contents
塾の種類とそれぞれのメリット・デメリット
発達に不安のあるお子さんが塾に通う場合、候補になる塾は学習タイルからこのように5つに分けられます。
- 集団指導
- 小人数指導(集団)
- 個別指導
- 家庭教師
- 発達支援専門の塾
娘の塾体験記の前に、それぞれの塾のメリット・デメリットを説明していきますね。
集団指導
講師が1人に対して、11人以上(多いと40人以上にも)の生徒を教える学校スタイルの塾。
★メリット
- 他の生徒と競い合って切磋琢磨できる
- 受験に特化したカリキュラムが組まれていて、ペース配分がしっかり
- 校外に友達ができて、いろんな情報交換ができる
- 先生はプロの塾講師が多い
- 個別や家庭教師に比べて価格が安い
★デメリット
- 授業のペースが速く、ついていけない可能性がある
- 分からないところは自分から聞きに行く自主性が必要になる
- 大人数のため、多動や聴覚過敏のあるお子さんは集中できない可能性がある
- 欠席の振替がないため、休むとどんどん遅れていく
- 先生との相性が悪くても変更は基本出来ない

少人数指導(集団)
講師が1人に対して、10人以下の生徒を教える集団(大人数)と個別の中間に位置する学習スタイル。集団指導でも人数をしぼった少人数指導の学習塾が増えています。
★メリット
- 人数が少ないながらも他の生徒と切磋琢磨できる
- 目標やレベルの近い集団で学習できる
- 大人数の集団より1人1人の細かい指導を受けることができる
- 先生との距離も近いため、質問がしやすい
- 個別、家庭教師に比べると費用が安い
★デメリット
- 積極的な子が目立つので自主性はある程度必要
- 人数は少ないが授業はカリキュラムに沿って進むため、ついていけない可能性も
- 欠席の振替がないため、休むとどんどん遅れていく
- 先生との相性が悪いと大人数の集団より辛い

個別指導
講師が1人に対して、生徒が1人~多くても3人。
★メリット
- その子のレベルに合わせてカリキュラムを組んでくれる
- 希望日が選べてスケジュールの調整がしやすい
- まわりのペースを気にしなくていいため質問がしやすい
- 講師も生徒の進み具合をしっかり把握している
- 先生との相性が合わなければ変更可能
- 個別の相談や配慮をお願いしやすい
★デメリット
- その子のペースだけを重視した学習だと受験に適さない場合がある
- ライバルがいないため、モチベーションが保ちにくい
- 塾都合で先生が変わることがある
- アルバイトの講師の可能性が高くなる
- 集団に比べて費用が高い

家庭教師
その名前のとおり、自宅に来てもらってマンツーマンで学習をするスタイルです。
★メリット
- 送迎の必要がない
- 本人の学習ペースに合わせることができる
- 発達に不安のあるお子さん専門の家庭教師もいる
- 特性に沿った配慮をお願いしやすい
- 自宅なので、本人の負担が少ない
★デメリット
- アルバイトの講師が多い
- プロの家庭教師だと費用が高い
- 相性が悪い場合、塾の個別指導より担当変更が言いにくい
- 自宅で行うため、親の在宅や部屋の掃除が必要

発達障害専門の塾
日々の困りごとを抱えた特性をもったお子さんの学習をサポートしてくれる塾です。
★メリット
- 専門の知識をもったスタッフが多い
- 特性に合わせた独自のカリキュラムがある
- 勉強以外のSST(ソーシャルスキルトレーニング)を教えてくれるところも
- 特性に合わせて環境が整えられてる
- 多動やパニックなどのお子さんが抱える特性が出ても適切に対応してもらえる
★デメリット
- 費用が高め
- 自宅そばにないことが多く、通うのに時間がかかる
- 進学塾に比べると受験に弱い

発達グレーの長女の塾選びをご紹介
娘は発達グレーで、空気を読むのが苦手、感覚過敏、気持ちの切り替えがしにくいなどの特性があります。学習面では文章を読むことが苦手で、想像することが難しいため図形系も苦手です。逆に漢字や単純計算は得意です。
発達障害専門塾:発達支援教室エレファース
娘が最初に通ったのは発達支援教室エレファース。
通い始めたのは就学前の特性が強く出ていた時期で、これから始まる小学校に大きな不安がありました。気持ちの切り替えができず、よくパニックをおこしていた時期です。
学習ではなく、学習態勢の形成(学習に取り組む行動のこと。)を目的としていたため、一般的な塾ではなく、発達支援教室を選びました。
発達支援教室エレファースは、主に発達障害(自閉症スペクトラム障害、LD、ADHD、精神発達遅滞、等)、ダウン症等の生徒様を対象とした完全1対1の個別指導塾です。未就学児、小学生、中学生、高校生、社会人の方々を対象に、学習態勢の形成、文字、数、ことば、教科(算数・国語・理科・社会・英語・数学)、普通学級対応、定期試験対策、受験対策、社会参加スキル、生活課題等、お一人おひとりのご希望に応じた教育プログラムを実践させていただいております。ことに、SEOLEO(セオレオ)独自のメソッドであります「造形リトミックメソッド(玉野式造形教育法)」による認知・基礎教育の充実は発達支援教室エレファースの大きな特徴の1つです。基礎を充実させることにより、その上に学習を積み上げていくことが可能となります。
手先が不器用だけど工作が大好きな娘に造形リトミックメソッドがぴったりかな、と思ったんですよね。
気持ちの切り替えが難しい娘の興味をうまく学習に持っていってくれる対応はさすが。完全1対1の個別指導で、本人の状況に合わせながら学習を進めてくれます。特性が強く出てしまうお子さんでも対応してくれます。
また、講師はみんなスーツを着て社章をきっちりつけていて、たくさん褒めてくれるけど、決して友達感覚になりすぎない講師と生徒の距離感が好印象でした。
途中からは私の希望でSST(ソーシャルスキルトレーニング)的な部分も少し取り入れてもらい指導してもらっていました。(SSTをコースとしてメインで受講したい場合は対応できる校舎が限られています。)
娘は母子分離・学習態勢の形成・基礎認知学習・造形を行うチャレンジコースを受講していて、週1回60分で月謝21,000円(税別)でした。受験コースまであってHPに詳しい説明があります。

エレファースの口コミはこちら↓
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発達支援教室エレファースの口コミ|発達障害のある子どもとじっくり向き合ってくれる塾です
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エレファースで学習に自信がついてきたこと、家庭学習にタブレット学習を取り入れて自宅でも自主的に学習ができるようになったことから発達支援教室エレファースは小学校2年生時に卒業をしました。
娘と相性の良かったチャレンジタッチの口コミはこちら↓
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チャレンジタッチを6年間受講した口コミ!長期受講中して分かったメリット・デメリット
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進学塾:集団指導+個別指導併用
●集団指導の進学塾を選んだ理由
小学3年生頃から中学受験を考えるようになり、新4年生のときに進学塾へ入塾しました。
この際の塾選びは発達面での特性が落ち着いていることと中学受験という目的がはっきりしていたことから、発達障害専門塾と家庭教師は除外し進学塾の中から選ぶことになりました。
何か所か見学をして、完全個別指導の進学塾とすごくすごく迷ったのを覚えています。

最終的に校舎の様子、講師の雰囲気から地域密着型の集団指導塾にしました。全国区の大手集団塾ではありませんが、受験に強い進学塾で私たちが希望する通学可能エリアの学校情報を豊富に持っている印象でした。
また、体験の際に、偏差値だけを重視する受験ではなくお子さんにあった学校を一緒に探しましょう、と言ってもらえたのが大きかったです。あぁ、この塾だったら任せられるな、と思ったんです。
我が家が塾選びで重視したポイント
- 自宅からの通いやすさ
- 教室や自習室の環境
- 通学可能エリアの学校情報を豊富に持っている
- 個別での対応も可能
疲れやすい体質のため、電車で通うような場所は除外しました。感覚過敏があるので、教室やトイレも見せてもらいました。
講師との相性や集団についていけるかもやってみなければわからない部分があります。そのため、娘に合わなければそのときにまた考えようと思いました。
●入塾にあたって特性を事前に伝えたか
我が家は娘の発達に不安があること、特性があることについて事前に伝えました。
これはお子さんにどれくらいの特性があって、どれだけ配慮が必要か、にもよると思います。娘の場合は授業中あてられると固まってしまうので、事前に伝えました。感覚過敏があること、自分からの発言はなかなか難しいことも伝えています。その際に、「そういったお子さんは増えてきているし、対応もしたこともありますよ。相談しながら進めましょう。」と言っていただきました。
伝えたからと言って集団指導内で特別な配慮があるわけではありませんが、先生がこまめに娘の状況を教えてくれています。また、塾に行かなくなった時期には、いろんなパターンを提案してくれ、個別で対応してもらったりしました。
受験まで向かう期間にはいろんなことがあります。
可能であれば塾に伝えておいた方がいろんな事態にも対応しやすくなると思います。
●3年間の通塾で起きた問題
- 講師との相性が悪く担当を替えてもらった(先生に非は全くありません。)
- 受験へのモチベーションが下がって、塾に行くのを渋るようになった
- 集団指導についていけない教科が出てきた
娘は男性が苦手なところがあり、男性の講師との相性が難しいです。
先生に非があるわけでないので、替えてもらうのはとっても心苦しいのですが、2回ほど替えてもらったことがあります...。集団指導を替えてもらうことはできないため、相性の合わない男性講師の教科は個別での対応に切り替えてもらうなどをしました。個別指導はわりと自由がきくため、女性の講師でお願いしていました。
受験なんてしない、と言い出した時もありました。この時はしばらくお休みすることになり、もう塾には戻らないかもと内心ヒヤヒヤしていました。我慢して行くということが難しいので行かないと言い出したら絶対に行かないんです。
本人が受験を強く希望していても、長い受験準備期間中モチベーションが下がることがあります。
受験はしたいけど、塾には行きたくない。別に塾が嫌なわけではない。でも行けない。
もう受験は無理なのかな、と本当に焦るばかりでした。
この時期はよく塾長の先生と面談をして今後の相談に行っていました。娘のペースで参加することにしてもらい、課題についてもできたらやってくる、くらいで参加するようになりました。
そのような状態なので集団にはついていけなくなり、4教科を2教科受験に、得意な国語は集団指導のまま、苦手な算数は集団指導を辞め個別だけにしました。
集団指導と個別指導の組み合わせは本人の状態をみながら、柔軟に対応してくださったおかげでなんとか通塾をつづけ、モチベーションを持ち直すことができました。本当にこの塾に出会えてよかったと思いました。
発達グレーっ子の塾選びで大切なポイント
発達障害やグレーゾーンの特性のあるお子さんの塾選びで大切だと思うポイントです。
- 塾に通う目的を明確にする
- 受験の場合、受験情報を豊富にもっているか
- 規模は大きめがいい(在籍している講師数)
- 受講コースの変更等、柔軟に対応可能か
- 選んだ塾が絶対ではない
塾選びの際にまずは塾に通う目的をはっきりしたほうが、良いです。中学受験か学校の授業フォローかによっても塾選びが違ってきます。受験の場合は、受験に特化した塾の方が受験情報を豊富に持っていますし、カリキュラムや講師の質の面でも安心です。
塾の規模はある程度講師の人数がいる塾の方が、万が一相性が合わない場合に変更をしてもらえます。集団指導では講師の変更は無理ですが、個別指導をお願いする際には講師の在籍人数も確認しましょう。
また、受講コースの変更も柔軟に対応してくれる塾ですと通いやすくなりますよ。
最後のポイントは選んだ塾が絶対ではない、という点です。中学受験は長い道のりになります。その間子供のモチベーションを維持するのは大変ですし、講師が変わったり、子供の特性もその時その時で変化します。そのため、状況によっては塾と方向性が合わないということも出てきます。
通っている塾で対応できなかったり、通っていることがストレスになる塾であれば塾自体を替えることも検討が必要だと思います。

中学受験に向けてどういった部分を重視したか書いています。お子さんに発達の不安があって中学受験を考えている方はこちらの記事もチェックしていてくださいね。
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